用紙:コート 68k
寸法:B3Y
色数:4c/4c
製本・加工:二つ折り加工
リクエスト
宮古市内で最大規模のショッピングセンターであるマリンコープDORA様から、店舗独自で発行している折込チラシのリニューアル依頼を受けました。
既存のチラシは、長年デザインを変更せずに使用されていました。しかし、商品価格や割引情報、催事情報などが紙面上に整理されていないままレイアウトされてる状況でした。利用客からは「チラシが分かりづらい」とご意見をいただくことが多くあり、DORA様は頭を抱えておられました。
またDORA様の担当者様は折込チラシの作成や印刷会社とのやりとりも経験が少ないことから、原稿の集約や入稿ついて方法に不安を感じておられました。そのため制作を進めるなかで、緻密な工程管理や情報共有を希望されていました。
クリエイティブの視点
チラシのリニューアルにあたり、最初に提案したのは、2C印刷から4C印刷へと変更することでした。既存のチラシでは2色印刷という特性上、文字情報が中心となっており、グラフィック的に弱い印象がありました。もちろん、文字は素晴らしい情報伝達力を持っていますが、写真や色彩が持つストレートな表現力はリニューアルするチラシにとって必要なものだったからです。写真や色彩の力によって、紙面全体の情報量を2C印刷と比較すると、はるかに増やすことができるというのがわたしたちの考えでした。
内容についても大幅に変更を加えました。DORA様との打ち合わせや既存のチラシの分析 を通して特に力を入れる必要があると感じたのは、紙面上での情報の整理でした。エディトリアル・デザインでは情報の整理は非常に大切な部分と言えます。情報は整理されることで初めて「伝わる」ものとなるからです。そこで、改めてチラシの掲載情報を精査し、整理しながら全体のラフを描いていきました。
また、見やすさ、伝わりやすさを優先しつつも、紙面の「メリハリ」や「遊び」も忘れることなくレイアウトのなかに落とし込んでいきました。とくに工夫したのはイベントやSALEなどのトピックス的な情報スペースで、ここは定型とはせず、それぞれの内容に沿ったオリジナルのデザインで作り込むことになりました。
また、実際に動き出してからも、DORA様と制作工程について話し合う場を設けるなど、改善に向けての取り組みを続けています。
こうしたチラシのような時間的にタイトなルーティーンワークは気が緩むとマンネリ化する恐れがあります。そうならないためにも毎回少しでも新しいチャレンジを盛り込みたいと考えています。