シール
用紙:
寸法:
色数:
製本・加工:
ショップカード
用紙:モデラトーンGAホワイト 160k
寸法:60×60
色数:4c/4c
名刺
用紙:モデラトーンGAホワイト 160k
寸法:55×91
色数:4c/4c
リクエスト
甘く味わい深い高糖度なトマトを主力商品に、年間20種類ほどの野菜を栽培している岩手県宮古市の農家、神田農園様からロゴデザインをご依頼いただきました。
こちらの農園は、神社に奉納する「コメ」を生産していたことから名付けられた「神田」という屋号を、8代に渡り受け継いでいます。そんな長い歴史を持つ神田農園様ですが、依頼主の中沢さんが就農したことをきっかけに、ブランド化による認知度アップを目指したいという新たなフェーズを迎えつつありました。
その第一歩に先立つロゴへのリクエストは、わかりやすくて飽きのこない形、つまり、長く愛し愛される形で「神田農園」を表現することでした。そして、産直やイベントなど、消費者にブランドを知ってもらう出発点となる販売スペースで存在感を放つよう、サイズや色によって機能性が損なわれない形が求められました。
加えて、産直での販売では他商品に合わせた安い値段設定にせざるを得ない現実があることから、ブランドイメージを築くことで、「神田農園」の野菜が持つ「安心安全で美味しい」という価値をより多くの消費者に理解していただき、適正価格で販売できるようになれば…という中沢さんの思いにも応えたいと思いました。
クリエイティブの視点
ビニールハウスの見学、初物のトマトの試食、屋号にゆかりのある神社の訪問…。聴いて、見て、食べて、触れる。ロゴの制作は、五感を駆使してヒントを探りながら、イメージの解像度を高めていくことからスタートしました。
畑を案内していただきながら、手間暇と愛情をかけて野菜を育てる中沢さんの姿を目にし、農業の本質的な部分、つまり、大地との繋がりや自然との共生といった普遍的な世界観を強く感じました。
この経験がビジュアルのヒントとなり、昔から続いてきた畑仕事への姿勢と農業の普遍的な世界観がロゴ制作の切り口となりました。また、リクエストにもあったように、斬新さや真新しさを取り入れずとも、誰もが素朴に持っている自然への温かい気持ちを表現することで、長く愛されるロゴになると考えました。
実際にロゴを制作する過程では、大地をくまなく照らす「太陽」、降り注ぎやがて一筋の流れになる「雨」、人間の手で切り拓かれた「畑」、力強く芽吹く「植物」という4つの要素を合わせ、農業の本質的な世界観を形にしました。最終的にはこれらの要素を版画風のテクスチャを用いて表現することで、温度さえ伝わるような有機的な印象が生まれたと感じています。
「あめつちひかり はぐくむちから」というキャッチコピーとともに「神田農園」の色と形が見る人の心に記憶され、「神田農園」の野菜が持つ大地の恵みや人の手で作られた温かさを、多くの人々に感じていただきたいと思います。